芸術運動 · 1920〜1930年代 · フランス、ヨーロッパ、アメリカ
アールデコ(アール・デコ)のポスター、イラスト、絵画
アールデコ(アール・デコ)とは、第一次世界大戦前のフランスで形づくられ、1920〜1930年代にヨーロッパとアメリカで栄えたデザインと装飾の様式で、建築、インテリア、ポスター、イラストにまで及びました。名前は1925年にパリで開かれた現代装飾美術・産業美術国際博覧会に由来し、幾何学的な形、鮮やかな色、贅沢さを好み、キュビズム、古代エジプトの美術、近代の船・列車・自動車から着想を得ました。今日「アールデコ調」と呼ばれるデザインの源です。ポスター作家にはレオネット・カッピエッロ、ロジェ・ブロデール、ジャン・ディレン、エドワード・マックナイト・カウファーがいます。
ポスターは食前酒や自動車、リヴィエラへの列車の旅を売り、『ガゼット・デュ・ボン・トン』のような雑誌は、パリの最新のモードを型紙を通して手で彩色して刷りました。最もよく知られたアールデコの画家タマラ・ド・レンピッカは1980年に亡くなったため、その絵はまだ著作権で保護されており、当サイトでは紹介していません。アールヌーボーとの違いはアールヌーボーのページで説明しています。
下に並ぶアールデコのポスター、イラスト、絵画237点は、すべてパブリックドメインで、無料でダウンロードできます。
選定・執筆:Pavel Mazuelas2026年11月5日更新
特集: 西洋美術史の年表:ゴシックから現代までの美術様式と芸術運動関連: デ・ステイル、近代美術(モダニズム)、イラスト・挿絵
アールデコのすべてのポスター、版画、絵画
飲み物、自動車、列車、リゾートのポスター、雑誌の表紙、ファッション・プレート、イラスト。すべてパブリックドメインで、無料でダウンロードできます。
アールデコの有名なポスターと版画
鉄道や飲み物のポスターから『ガゼット・デュ・ボン・トン』の図版まで、美術館や図書館の記録が最も充実したアールデコのポスターとファッション版画です。作品をクリックすると、拡大して見たり、無料でダウンロードしたりできます。
アールデコの代表的な画家・デザイナー
パリのカッピエッロのポスターから、ブーテ・ド・モンヴェルが描いたアメリカの都市まで、作品がパブリックドメインになっているアールデコ時代の9人のポスター作家、イラストレーター、画家です。名前をクリックすると、その作品をすべて見られます。タマラ・ド・レンピッカ、カッサンドル、エルテはまだ著作権で保護されているため、ここにはいません。
レオネット・カッピエッロ1875〜1942年。イタリア生まれのパリのポスター作家で、しばしば近代広告の父と呼ばれます。1903年から、ブランドを無地の背景から飛び出す大胆な人物のキャラクターに変えました。
ロジェ・ブロデール1883〜1953年。ヴィクトリア&アルバート博物館は旅行ポスターの名手と呼んでいます。パリに生まれ、主にパリ・リヨン・地中海鉄道のために、アルプスのリゾートやリヴィエラのポスターを約100点制作しました。
ジャン・ディレン1886〜1938年。本名ジャン・ポール・ベガン。宝飾デザイナーを経て1919年にパリの印刷所ヴェルカッソンに入り、カッピエッロの後を継いで専属作家となり、1934年までに200点以上のポスターを手がけました。
アシル・モーザン1883〜1952年。1905年からイタリアで、1927年からは5年間ブエノスアイレスで活動したフランスのポスター作家で、その色鮮やかなアールデコのポスターはアルゼンチンのグラフィックデザインに足跡を残しました。
シャルル・ジェスマール1900〜1928年。パリのポスター作家でミュージックホールの舞台美術家。スターのミスタンゲットを描きました。ヴィクトリア&アルバート博物館は、おそらくフォリー・ベルジェールのための踊り子の衣装デザインと、マルグリット・タンプレーや芸人バルベットのポスターを所蔵しています。
エドワード・マックナイト・カウファー1890〜1954年。アメリカ生まれで1914年からロンドンで活動したデザイナーで、「ポスター王」とあだ名されました。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、1915年から1939年にロンドン地下鉄のために134点のポスターを制作しました。
ベルナール・ブーテ・ド・モンヴェル1881〜1949年。パリの社交界の肖像画家で、1926年に初めてニューヨークに滞在し、主に1928〜1932年に、自分で撮った写真をもとにこの都市の眺めを約20点描きました。
ゲルダ・ヴィーイナ1885〜1940年。1912年からパリで活動したデンマークの画家で、『ヴォーグ』や『ラ・ヴィ・パリジェンヌ』のファッション画を描きました。1923年にはフランス政府が彼女の絵を2点購入しています。
J・C・ライエンデッカー1874〜1951年。1896年から1950年に400点以上の雑誌の表紙を描いたアメリカのイラストレーターで、うち322点は『サタデー・イブニング・ポスト』のものです。アローのカラーの広告も手がけました。
アールデコの旅行ポスター
鉄道会社は旅そのものを売るためにポスターを注文しました。ロジェ・ブロデールは主にパリ・リヨン・地中海鉄道(PLM)のために、アルプスのリゾートやリヴィエラのポスターを約100点制作し、PLMは宣伝する土地を訪ねる旅費まで彼に出しました。
アールデコの広告ポスターとグラフィックデザイン
カッピエッロはブランドを、無地の背景から飛び出す大胆な人物のキャラクターに変えました。1927年からブエノスアイレスで活動したアシル・モーザンの色鮮やかで、しばしばユーモラスなアールデコのポスターは、アルゼンチンのグラフィックデザインに足跡を残しました。アメリカでは、J・C・ライエンデッカーが1910年から、クッペンハイマーの服やアローのカラーの広告を何百点も描きました。
アールデコの特徴と見分け方

単純化された形と鮮やかな色
モーザンはラジオの聴衆を、赤い唇に背の高い黒い帽子の白い仮面に変え、「3a RADIO」の文字を色の塊で組み立てています。ゲッティ研究所の『美術・建築シソーラス(AAT)』は、アールデコを直線的なモチーフ、鮮やかな色、優雅で抽象化・単純化された形で説明しています。
テアトロ・オペラ、第3回ラジオ博覧会、アシル・モーザン

幾何学と近代都市
ブーテ・ド・モンヴェルは自分で撮った写真からニューヨークを描き、余計な細部をすべて省いたと、ル・アーヴルのアンドレ・マルロー近代美術館は述べています。テートはアールデコの幾何学的な性格をキュビズムにさかのぼらせ、ヴィクトリア&アルバート博物館はニューヨークを流線形のアールデコ都市の典型と呼んでいます。
ニューヨークの眺め、ベルナール・ブーテ・ド・モンヴェル

スピード:車、列車、飛行機
翼のある人物がコッタン・エ・デグットの車の前で道を開き、背後には複葉機が飛び、「路上の飛行機」という標語が添えられています。テートは近代の船、列車、自動車をアールデコの源の一つに挙げ、ヴィクトリア&アルバート博物館は、そのポスターが豪華客船や高速列車に驚嘆したと述べています。
コッタン・エ・デグット:路上の飛行機、ジャン・ディレン

無地の背景に大胆な人物ひとり
黒い地から白いホッキョクグマが、フリゴール・チョコレートの板の後ろに立ち上がっています。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、カッピエッロの人物は無地の背景から見る人の方へ跳び出し、踊り出します。ポスター・ハウスは、ジャン・ディレンのポスターも同じ型を守り、暗い地に元気で色鮮やかな人物を置いたと述べています。
フリゴール、カイエ・チョコレート、レオネット・カッピエッロ

型紙刷りの色で描くパリのモード
ポール・ポワレの午後のコートを着た女性が、冬の公園で待っています。1920年11月の『ガゼット・デュ・ボン・トン』の図版です。この図版をアールデコに分類するヴィクトリア&アルバート博物館によれば、この雑誌はファッションハウスと独占契約を結び、宝石のような色を型紙を通して手で加えていました。
ランデヴーの時刻(ガゼット・デュ・ボン・トン)、アレクサンドル・ヤコヴレフ
アールデコの前と後:美術史の流れ
アールデコとバウハウス、前後の様式の比較
| 比較項目 | アールヌーボー | アールデコ | バウハウス |
|---|---|---|---|
| 年代 | 1890年代〜1914年 | 1920〜1930年代 | 1919〜1933年 |
| どんなものか | 建築とデザインの国際的な様式 | デザインと装飾、ポスター、ファッション、建築の様式 | ドイツの美術・建築・デザインの学校 |
| 見た目 | しなやかな曲線と流れるような植物の形 | 幾何学的な形、鮮やかな色、放射状の光線とジグザグ | 日用のための単純な幾何学的な形 |
| 着想源 | 植物の形と自然 | キュビズム、古代エジプト、アステカ、船、列車、自動車 | 美術とデザインと工芸を対等に扱う |
| 代表的な作家 | ミュシャ、クリムト、ビアズリー | カッピエッロ、ブロデール、カッサンドル、レンピッカ | グロピウス、カンディンスキー、クレー、モホイ=ナジ |
アールデコの代表作と作家の一覧
有名なアールデコのポスターと版画の一覧です。デザインした作家、制作年、紹介した1枚を所蔵する館を示しています。
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| ポスター・版画 | デザイン | 制作年 | 技法・素材 | サイズ | 所蔵先 | 都市 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| モンブラン周遊 | ロジェ・ブロデール | 1927年 | 多色リトグラフ | 101.6 × 63.5 cm | ヴィクトリア&アルバート博物館 | ロンドン |
| ランデヴーの時刻(ガゼット・デュ・ボン・トン) | アレクサンドル・ヤコヴレフ | 1920年 | ポショワール(型紙刷り)・手彩色 | 17.8 × 13.2 cm | ヴィクトリア&アルバート博物館 | ロンドン |
| テアトロ・オペラ、第3回ラジオ博覧会 | アシル・モーザン | 1930年 | 多色リトグラフ | 157 × 105 cm | フランス国立図書館 | パリ |
| 鏡の効果(ガゼット・デュ・ボン・トン) | アレクサンドル・ヤコヴレフ | 1920年 | ポショワール(型紙刷り) | アムステルダム国立美術館 | アムステルダム | |
| モナコ、モンテカルロ、太陽の国 | ロジェ・ブロデール | 1920年頃 | 多色リトグラフ | ヴィクトリア&アルバート博物館 | ロンドン | |
| フリゴール、カイエ・チョコレート | レオネット・カッピエッロ | 1929年 | 多色リトグラフ | 128 × 90.5 cm | バーゼル・ポスター・コレクション | バーゼル |
| ローマ、豪華列車ローマ急行で | ロジェ・ブロデール | 1921年 | 多色リトグラフ | アメリカ議会図書館 | ワシントンD.C. | |
| テアトロ・ソリス、1923年カーニバル | アシル・モーザン | 1923年 | 多色リトグラフ | 64 × 45 cm | フランス国立図書館 | パリ |
| コッタン・エ・デグット:路上の飛行機 | ジャン・ディレン | 1926年 | 多色リトグラフ | フランス国立図書館 | パリ | |
| ノイマン楽器店 | アシル・モーザン | 1927年 | 多色リトグラフ | 110 × 74 cm | フランス国立図書館 | パリ |
| オメガ | レオネット・カッピエッロ | 1920年 | 多色リトグラフ | 126 × 95 cm | バーゼル・ポスター・コレクション | バーゼル |
| ディアブルレ、気前のよい食前酒 | ジャン・ディレン | 1920年頃 | 多色リトグラフ | 128 × 90.5 cm | バーゼル・ポスター・コレクション | バーゼル |
| アラックス煙草 | レオネット・カッピエッロ | 1925年 | 多色リトグラフ | 160 × 118 cm | フランス国立図書館 | パリ |
| ミスタンゲット | シャルル・ジェスマール | 1925年 | 多色リトグラフ | 160 × 119 cm | バーゼル・ポスター・コレクション | バーゼル |
| ラム・チャールストン | ジャン・ディレン | 1925年 | 多色リトグラフ | 169 × 100 cm | フランス国立図書館 | パリ |
アールデコについてのよくある質問
アールデコとは?意味を簡単に
アールデコとは、1920〜1930年代のデザイン、ポスター、ファッション、建築に見られる、幾何学的で華やかな様式です。名前は「アール・デコラティフ(装飾美術)」の略で、1925年にパリで開かれた現代装飾美術・産業美術国際博覧会にちなみますが、ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、この言葉ができたのは1960年代で、当時は「スティル・モデルヌ」と呼ばれていました。ゲッティ研究所の『美術・建築シソーラス(AAT)』は、直線的なモチーフ、鮮やかな色、優雅で抽象化・単純化された形でこの様式を説明しています。
出典: V&A: An introduction to Art Deco · V&A: Art Deco printmakers · Getty AAT: Art Deco
アールデコの特徴は?
アールデコは、大胆な幾何学、鮮やかな色、贅沢さとスピードへの好みで見分けられます。テートによれば、アールヌーボーとの最大の違いはキュビズムの影響で、それがより断片的で幾何学的な性格を与えました。古代エジプトやアステカの美術、近代の船、列車、自動車のデザインからも着想を得ています。ヴィクトリア&アルバート博物館は放射状の光線(サンバースト)、ジグザグ、ジッグラトの模様をモチーフに挙げ、パリ装飾芸術美術館は、すっきりした線、幾何学、左右対称、贅沢で洗練された素材を挙げています。
出典: Tate: Art deco · V&A: Art Deco printmakers · パリ装飾芸術美術館:the 1925 exhibition (French)
「アールデコ調」とは?
「アールデコ調」は、1920〜1930年代のアールデコの様式に倣った、あるいはそれを思わせるデザインを指す言い方です。ゲッティ研究所の『美術・建築シソーラス(AAT)』は、アールデコの特徴を直線的なモチーフ、鮮やかな色、優雅で抽象化・単純化された形としています。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、当時この様式は「スティル・モデルヌ」と呼ばれ、幾何学的な形は化粧箱、たばこケース、食器のような日用品にまで広がり、蓮の花、スカラベ、ピラミッドなどエジプト風の図柄も取り入れられました。アールデコという名前そのものは1960年代に生まれたものです。
アールデコはいつの時代に流行した?
アールデコの時代は1920〜1930年代で、その根は第一次世界大戦前にあります。ヴィクトリア&アルバート博物館は、この様式をおよそ1910年から1940年とし、1925年のパリの博覧会が世界的な広がりのきっかけになったと述べています。1929年の株価大暴落のあと楽観は薄れ、1930年代半ばには派手で偽りの贅沢のイメージとあざけられ、1940年頃に流行が終わりました。
出典: V&A: Art Deco printmakers · V&A: An introduction to Art Deco
アールデコはどこの国で生まれた?
アールデコはフランスのパリで生まれました。パリ装飾芸術美術館によれば、アールヌーボーとの決別をめざして第一次世界大戦前に計画された1925年の現代装飾美術・産業美術国際博覧会が、この様式を決定づけました。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、この博覧会には、家具デザイナーのエミール=ジャック・リュールマンやガラス工芸家のルネ・ラリックら、ヨーロッパ内外の何千人ものデザイナーが集まりました。
出典: パリ装飾芸術美術館:the 1925 exhibition (French) · V&A: An introduction to Art Deco
アールデコの代表的な画家・デザイナーは?
最もよく知られたアールデコの作家には、画家のタマラ・ド・レンピッカ、ポスター作家のA・M・カッサンドル、ファッション・イラストレーターのエルテ、ガラス工芸家のルネ・ラリック、家具デザイナーのエミール=ジャック・リュールマンがいます。ヴィクトリア&アルバート博物館は、ポスター作家やイラストレーターとして、エドワード・マックナイト・カウファー、ロジェ・ブロデール、ジョルジュ・バルビエ、ジョルジュ・ルパップも挙げています。レンピッカ、カッサンドル、エルテは1955年より後に亡くなったため作品はまだ著作権で保護されていますが、1928〜1953年に亡くなったカッピエッロ、ブロデール、モーザン、ジェスマールのポスターはパブリックドメインです。
出典: V&A: A short history of the poster · V&A: Art Deco printmakers · V&A: An introduction to Art Deco · ポンピドゥー・センター:Tamara de Lempicka, Jeune fille en vert · Getty ULAN: Tamara de Lempicka · Getty ULAN: Cassandre · Getty ULAN: Erté · Getty ULAN: Leonetto Cappiello · フランス国立図書館:Roger Broders (1883-1953), poster record (French) · Getty ULAN: Achille Mauzan · Getty ULAN: Charles Gesmar
タマラ・ド・レンピッカの絵はパブリックドメイン?
多くの国ではまだパブリックドメインではありません。レンピッカは1980年に亡くなったため、著作権の保護期間が作者の死後70年の国々では、その絵は保護されています。ポンピドゥー・センターも、《緑の服の若い女》の権利者を遺族とフランスの著作権団体ADAGPとしています。1968年に亡くなったカッサンドル、1990年に亡くなったエルテも同じで、当サイトではその作品を紹介していません。アメリカでは1931年より前に最初に出版された作品はパブリックドメインですが、当サイトはより厳しい基準に従っています。
出典: ポンピドゥー・センター:Tamara de Lempicka, Jeune fille en vert · Getty ULAN: Tamara de Lempicka · Getty ULAN: Cassandre · Getty ULAN: Erté · Cornell University Library: Copyright Term and the Public Domain
アールデコのポスターとは?有名なポスターは?
アールデコのポスターは1920〜1930年代の広告と旅行のポスターで、多色リトグラフで刷られ、大胆に単純化した形でできています。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、A・M・カッサンドルやエドワード・マックナイト・カウファーの作品のように、豪華客船や高速列車に驚嘆するものでした。パリ・リヨン・地中海鉄道のような鉄道会社は行き先のポスターをロジェ・ブロデールに注文し、酒や食品のブランドはレオネット・カッピエッロ、ジャン・ディレン、アシル・モーザンを起用しました。当サイトでは、ブロデールの《モンブラン周遊》やカッピエッロの《フリゴール、カイエ・チョコレート》を見ることができます。
出典: V&A: A short history of the poster · V&A: Art Deco printmakers · V&A: Café Martin (Leonetto Cappiello, 1924) · Poster House: Chantier Houiller (Jean d'Ylen) · Poster House: M. Alvarez (Achille Mauzan)
アールデコのイラストとは?
アールデコのイラストは、1910年代から1930年代のファッション誌や雑誌の絵です。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、1912年から1925年にパリで出版された『ガゼット・デュ・ボン・トン』は当時最高のイラストレーターを起用し、ファッションハウスと独占契約を結び、高価な紙に図版を刷って、宝石のような色を型紙を通して手で加えました。描き手にはジョルジュ・バルビエやジョルジュ・ルパップがおり、エルテは1937年まで『ハーパーズ・バザー』の表紙の大半、計240点をデザインしました。
出典: V&A: L'Heure du Rendez-vous (Gazette du Bon Ton, 1920) · V&A: Art Deco printmakers
アールデコの建築やインテリアの代表例は?
アールデコはもともとデザインと装飾、建築の様式です。当サイトでは建築や家具は扱っていませんが、代表例はいくつか挙げられます。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、1925年のパリの博覧会には、家具デザイナーのエミール=ジャック・リュールマンやガラス工芸家のルネ・ラリックら、何千人ものデザイナーが集まりました。日本では東京都庭園美術館の本館、旧朝香宮邸がよく知られています。1933年に朝香宮家の自邸として建てられ、主な部屋の内装にアンリ・ラパンやルネ・ラリックら、フランスのアールデコの著名なデザイナーが起用され、2015年に国の重要文化財に指定されました。
アールデコはなぜ終わった?
アールデコは大恐慌と第二次世界大戦とともに衰えました。ヴィクトリア&アルバート博物館によれば、1920年代の楽観は1929年の株価大暴落のあと薄れ、1930年代半ばにはこの様式は派手で偽りの贅沢のイメージとあざけられ、戦争が始まるころには反感が強まっていました。1940年頃に流行が終わり、1960年代に大きなリバイバルが、1980年代からも小さなリバイバルがあったと同館は付け加えています。
出典: V&A: An introduction to Art Deco · V&A: Art Deco printmakers
アールデコの作品はパブリックドメイン?無料でダウンロード・商用利用できる?
その多くはそうです。当サイトが選んだ有名なアールデコのポスターと版画は、いずれも1930年以前の作で、1955年以前に亡くなった作家によるものなので、アメリカでも、著作権の保護期間が作者の死後70年で終わる国々でもパブリックドメインです。無料でダウンロードでき、商用利用もできます。1931年以降に最初に出版されたポスターはアメリカでまだ保護されている場合があるため、アメリカで公開するときは年代を確認してください。レンピッカ、カッサンドル、エルテなど、最もよく知られたアールデコの作品の多くはまだ著作権で保護されています。
出典: Cornell University Library: Copyright Term and the Public Domain
有名なポスターと版画の選び方
ここで有名な作品として選んだのは、絵画ではなくアールデコのポスターと版画です。アールデコは何よりデザイン、装飾、建築の様式で、当サイトではそれらを集めておらず、最もよく知られたタマラ・ド・レンピッカの絵はまだ著作権で保護されているからです。ほかの芸術運動のページでは、作品についての百科事典の記事がいくつの言語で書かれているかで知名度を測っていますが、当サイトのアールデコのポスターや版画には2つの言語で記事があるものがないため、ここでは記録に残る重要性で選び、2026年11月に確認しました。まず所蔵館が自館の記録でアールデコに分類している作品、次に美術館やデザイン美術館が所蔵する図案、次に百科事典の多くの言語版に画像が載っている図案、最後に古い作品の順です。図案の記録をもつ美術館、国立図書館、公共のポスター・コレクションが所蔵するものだけを数え、1人の作家は3点までとしました。
どの作品も1930年以前の作で、1955年以前に亡くなった作家によるものです。ポスターや版画は何枚も刷られたため、名前を挙げた館はそのうちの1枚を所蔵しています。台紙に貼られた状態や、図書館の印やラベル、印刷の色見本が写り込んだ画像の図案は、きれいな画像が手に入るまで除きました。ヴィクトリア&アルバート博物館もアールデコに分類するブロデールの《マルセイユ、北アフリカへの玄関口》もその一つです。
制作年、サイズ、所在は、ヴィクトリア&アルバート博物館、アムステルダム国立美術館、フランス国立図書館、アメリカ議会図書館、バーゼル・ポスター・コレクションの記録によります。
誤りに気づいたらお知らせください。確認して訂正します。







































































































