芸術運動 · 1715年頃〜1770年代 · フランス
ロココ美術:ヴァトー、ブーシェ、フラゴナールの絵画
ロココ美術とは、1715年にルイ14世が亡くなったあとの18世紀初めのフランスで、壮麗なバロックへの反動として生まれ、ルイ15世の宮廷で流行した、軽やかで遊び心のある美術様式です。ロココ絵画は、パステルカラーのような明るい色彩、優美な曲線と非対称の形、恋愛や余暇、神話の主題を特徴とし、1780年代には流行遅れになりました。ロココ様式の画家にはアントワーヌ・ヴァトー、フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナール、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ、トマス・ゲインズバラがいます。
名前は、18世紀の人工の洞窟を飾った貝殻張りの岩組み「ロカイユ」に由来します。1767年頃、ある宮廷人の注文で、ぶらんこに乗る愛人の姿を描いたのがフラゴナールの《ぶらんこ》です。ウォレス・コレクションは、この絵がロココ絵画のイメージを根本から形づくったと述べています。
下に並ぶロココ美術の絵画と作品3,367点は、すべてパブリックドメインで、無料でダウンロードできます。
選定・執筆:Pavel Mazuelas2026年11月5日更新
ロココ美術のすべての絵画と作品
肖像画、ヴェネツィアの景観画、風景画、日常生活の情景、神話画、装飾のデザイン。すべてパブリックドメインで、無料でダウンロードできます。
ロココの有名な絵画
ロココ時代を代表する絵画です。作品をクリックすると、拡大して見たり、無料でダウンロードしたりできます。
ロココの代表的な画家
フランスのヴァトーやブーシェから、ヴェネツィアのティエポロとカナレット、イギリスのホガースとゲインズバラまで、ロココの中心となった10人の画家です。名前のリンクから、それぞれの作品をすべて見られます。
アントワーヌ・ヴァトー1684〜1721年。ヴァランシエンヌに生まれ、雅宴画(フェート・ギャラント)を生み出しました。1717年、フランス王立アカデミーは彼の《シテール島への船出》のために新しい部門を設けました。イタリア喜劇の役者たちも数多く描きました。
フランソワ・ブーシェ1703〜1770年。神話画、田園画、肖像画の画家で、タペストリーや磁器のデザインも手がけました。ポンパドゥール夫人が最大のパトロンで、1765年に国王の首席画家となりました。
ジャン=オノレ・フラゴナール1732〜1806年。シャルダンとブーシェに学び、1752年にローマ賞を得ました。デュ・バリー夫人は彼の連作《恋の成り行き》を退け、ヴィアンの古典風の場面を選びました。
ジャン・シメオン・シャルダン1699〜1779年。1728年に「動物と果物の画家」としてアカデミーに入り、オランダ美術に学んだ静かな家庭の情景を描きました。若きフラゴナールは彼のもとで修業しています。
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ1696〜1770年。ロンドン・ナショナル・ギャラリーがイタリア最大のロココの画家と呼ぶヴェネツィアの画家です。1750年からヴュルツブルクの司教館(レジデンツ)の装飾を手がけ、スペインで亡くなりました。
カナレット1697〜1768年。正確で情趣豊かなヴェネツィアの景観画で名高く、その多くはイギリスの収集家に買われました。1746年から1756年にかけて何度もイギリスを訪れ、甥のベロットが助手を務めました。
フランチェスコ・グアルディ1712〜1793年。ヴェネツィアを描いた18世紀の画家として、カナレットに次ぐ存在です。妹はティエポロの妻で、グアルディ自身はより自由な筆づかいで、水面にきらめく町の光をとらえました。
トマス・ゲインズバラ1727〜1788年。レノルズと並ぶ18世紀後半のイギリスを代表する肖像画家です。テートによれば、イギリスでロココの影響が最もよく表れているのは、彼の華やかな女性肖像画です。
ウィリアム・ホガース1697〜1764年。《当世風結婚》のように、版画にするために描いた「現代の道徳的主題」の連作で最もよく知られます。テートは彼の作品に、力強いイギリス版のロココを見ています。
エリザベート・ヴィジェ=ルブラン1755〜1842年。マリー・アントワネットのお気に入りの画家で、王妃とその家族の肖像を30点以上描きました。18世紀にフランス王立アカデミーに迎えられた、わずか4人の女性の一人です。
雅宴画(フェート・ギャラント):ヴァトーとその後継者
ヴァトーは、公園で戯れ、踊り、音楽を奏でる優雅な男女を描いた小さな絵「雅宴画(フェート・ギャラント)」を生み出し、1717年にフランス王立アカデミーはそのための新しい部門を設けました。ヴァトーの死後は、ニコラ・ランクレと、ヴァトーの弟子ジャン=バティスト・パテルがこの主題を受け継ぎました。
ロココの女性肖像画
ロココの肖像画家は、モデルに絹や花、女神の衣装をまとわせました。ナティエはとりわけルイ15世の宮廷の女性たちの肖像で知られ、テートによれば、イギリスのロココが最もよく表れているのは、ゲインズバラの華やかな女性肖像画です。
フラゴナールの絵画
ウォレス・コレクションによれば、1767年頃、フラゴナールは国王のための歴史画から、少数の目の肥えた個人収集家のための絵へと向かいました。庭での遊び、音楽の稽古、そしてこうした恋人たちの絵です。
ロココ絵画の特徴と見分け方

明るく軽やかな色彩
フラゴナールは、明るい黄色のドレスをすみれ色のクッションに重ね、色を混ぜ合わせない素早い筆致で描いています。ゲッティのAATは、ロココの明るい色調を、バロックの重い形や暗い色との対比で説明しています。
読書する娘、ジャン=オノレ・フラゴナール

曲線と非対称
金めっきの時計や書き物机、ふくらんだドレスの渦巻きをたどってみてください。ブーシェはポンパドゥール夫人の部屋を曲線の形で満たしています。ウォレス・コレクションによれば、ロココの作品は有機的で非対称なC字、G字、S字の曲線で見分けられます。
ポンパドゥール夫人の肖像、フランソワ・ブーシェ

恋愛と戯れと遊び
スリッパが飛び、恋人がバラの茂みに隠れ、キューピッドの像が見守っています。ウォレス・コレクションによれば、ヴァトーからブーシェ、フラゴナールまで、恋の戯れを描いた軽やかな主題がロココの特徴です。
ぶらんこ、ジャン=オノレ・フラゴナール

公園に集う優雅な人々
絹をまとった男女が丘の斜面で組になり、待っている舟へとそぞろ歩いていきます。ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、こうした「雅宴画(フェート・ギャラント)」を生み出したのはヴァトーで、1717年、フランス王立アカデミーはこの絵のために雅宴画という部門を新たに設けました。
シテール島への船出、アントワーヌ・ヴァトー

戯れる神々
ブーシェは狩りの女神を、真珠のような肌、青い絹、その日の獲物とともに描いています。ウォレス・コレクションによれば、ブーシェは神話を主題にすることで場面に官能的な雰囲気を漂わせることができ、裕福な収集家たちも、教訓的な聖書や歴史の物語よりそうした絵を好みました。
水浴のディアナ、フランソワ・ブーシェ

ヴェネツィアの軽やかな壮麗さ
ティエポロは淡い空の下、白い円柱の間に宴を描いています。ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、彼の様式は盛期ルネサンスの壮大な様式に基づいていましたが、その装飾画は色が明るく、軽やかな雰囲気をもっています。
クレオパトラの饗宴、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ
ロココ美術の前と後:美術史の流れ
バロック美術1590年頃〜1750年頃
オランダ黄金時代の絵画17世紀
ロココ美術1715年頃〜1770年代
新古典主義1750年頃〜1850年頃
ロマン主義1780年頃〜1850年頃
ロココとその前後の様式の比較
| 比較項目 | バロック美術 | ロココ美術 | 新古典主義 |
|---|---|---|---|
| 年代 | 1590年頃〜1750年頃 | 1715年頃〜1770年代 | 1750年頃〜1850年頃 |
| 主題 | 劇的な宗教場面、聖人、王侯、神話 | 恋愛、余暇、神話、田園の情景、流行の肖像画 | 古代ギリシャ・ローマの歴史と神話 |
| 見た目 | 強い明暗、対角線、重い形 | 明るく軽やかな色彩、曲線と非対称 | くっきりした線、対称、抑制 |
| 目的 | 見る人を圧倒し、心を動かす | 魅了し、楽しませる | 道徳的な真剣さと古典的な純粋さ |
| 代表作 | ベラスケス《ラス・メニーナス》 | フラゴナール《ぶらんこ》 | ダヴィッド《ホラティウス兄弟の誓い》 |
| 代表的な画家 | カラヴァッジョ、ルーベンス、ベラスケス | ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール | ダヴィッド、アングル、カウフマン |
ロココ絵画の代表作と画家の一覧
ロココの有名な絵画を、作者、制作年、現在の所蔵先とともにまとめました。
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| 作品名 | 画家 | 制作年 | 技法・素材 | サイズ | 所蔵先 | 都市 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ぶらんこ | ジャン=オノレ・フラゴナール | 1767年頃〜1768年 | 油彩・カンヴァス | 81 × 64.2 cm | ウォレス・コレクション | ロンドン |
| 読書する娘 | ジャン=オノレ・フラゴナール | 1769年頃 | 油彩・カンヴァス | 81.1 × 64.8 cm | ワシントン・ナショナル・ギャラリー | ワシントンD.C. |
| シテール島への船出 | アントワーヌ・ヴァトー | 1717年 | 油彩・カンヴァス | 129 × 194 cm | ルーヴル美術館 | パリ |
| アンドリューズ夫妻 | トマス・ゲインズバラ | 1750年頃 | 油彩・カンヴァス | 69.8 × 119.4 cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー | ロンドン |
| 水浴のディアナ | フランソワ・ブーシェ | 1742年 | 油彩・カンヴァス | 57 × 73 cm | ルーヴル美術館 | パリ |
| 盗まれた接吻 | ジャン=オノレ・フラゴナール | 1780年代後半 | 油彩・カンヴァス | 45 × 55 cm | エルミタージュ美術館 | サンクトペテルブルク |
| 当世風結婚:1 結婚契約 | ウィリアム・ホガース | 1743年頃 | 油彩・カンヴァス | 69.9 × 90.8 cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー | ロンドン |
| チョコレートを運ぶ娘 | ジャン=エティエンヌ・リオタール | 1744年頃〜1745年 | パステル・羊皮紙 | 82.5 × 52.5 cm | ドレスデン国立古典絵画館 | ドレスデン |
| ヴェールをかぶった婦人 | アレクサンダー・ロスリン | 1768年 | 油彩・カンヴァス | 65 × 54 cm | スウェーデン国立美術館 | ストックホルム |
| ヴァイオリン奏者の肖像 | アンヌ・ヴァライエ=コステル | 1773年 | 油彩・カンヴァス | 116 × 96 cm | スウェーデン国立美術館 | ストックホルム |
| 石工の仕事場 | カナレット | 1725年頃 | 油彩・カンヴァス | 123.8 × 162.9 cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー | ロンドン |
| マリー・アントワネットと子どもたち | エリザベート・ヴィジェ=ルブラン | 1787年 | 油彩・カンヴァス | 271 × 195 cm | ヴェルサイユ宮殿 | ヴェルサイユ |
| ピエロ(ジル) | アントワーヌ・ヴァトー | 1718年頃〜1719年 | 油彩・カンヴァス | 184.3 × 155.7 cm | ルーヴル美術館 | パリ |
| 無原罪の御宿り | ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ | 1767年 | 油彩・カンヴァス | 281 × 155 cm | プラド美術館 | マドリード |
| フェリペ5世の家族 | ルイ=ミシェル・ヴァン・ロー | 1743年 | 油彩・カンヴァス | 408 × 520 cm | プラド美術館 | マドリード |
| グレアム家の子どもたち | ウィリアム・ホガース | 1742年 | 油彩・カンヴァス | 160.5 × 181 cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー | ロンドン |
| ポンパドゥール夫人 | フランソワ・ブーシェ | 1759年 | 油彩・カンヴァス | 91 × 68 cm | ウォレス・コレクション | ロンドン |
| ヴィーナスの誕生 | フランソワ・ブーシェ | 1754年 | 油彩・カンヴァス | 79.2 × 138.7 cm | ウォレス・コレクション | ロンドン |
| 赤エイ | ジャン・シメオン・シャルダン | 1728年 | 油彩・カンヴァス | 114.5 × 146 cm | ルーヴル美術館 | パリ |
| バラを持つマリー・アントワネット | エリザベート・ヴィジェ=ルブラン | 1783年 | 油彩・カンヴァス | 113 × 87 cm | ヴェルサイユ宮殿 | ヴェルサイユ |
| ジェルサンの看板 | アントワーヌ・ヴァトー | 1720年 | 油彩・カンヴァス | 163 × 306 cm | シャルロッテンブルク宮殿 | ベルリン |
| 放蕩一代記:1 相続人 | ウィリアム・ホガース | 1734年 | 油彩・カンヴァス | 62.2 × 75 cm | サー・ジョン・ソーンズ美術館 | ロンドン |
| ヴェネツィアの大運河の入口 | カナレット | 1730年頃 | 油彩・カンヴァス | 49.6 × 73.6 cm | ヒューストン美術館 | ヒューストン |
| クレオパトラの饗宴 | ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ | 1743〜1744年 | 油彩・カンヴァス | 250.3 × 357 cm | ヴィクトリア国立美術館 | メルボルン |
| 麦わら帽子の自画像 | エリザベート・ヴィジェ=ルブラン | 1782年 | 油彩・カンヴァス | 97.8 × 70.5 cm | ロンドン・ナショナル・ギャラリー | ロンドン |
ロココ美術についてのよくある質問
ロココ美術とは?
ロココ美術とは、1715年のルイ14世の死後、18世紀初めのフランスで、ヴェルサイユのバロックの壮麗さへの反動として生まれた、軽やかで遊び心のある装飾性の高い美術です。テートは、短い曲線や渦巻き、反転する曲線からなる、軽やかで官能的な、きわめて装飾的な様式と説明しています。ゲッティ研究所の『美術・建築シソーラス(AAT)』は、その特徴として、華やかさ、非対称、優美さ、陽気さ、そしてバロックの重い形や暗い色とは対照的な明るい色調を挙げています。
出典: テート:Rococo · ゲッティ研究所AAT:Rococo
ロココ美術の特徴は?
ロココ美術の特徴は、軽やかさ、曲線、遊び心です。パステルカラー、非対称のC字やS字の曲線、貝殻や花の装飾、恋愛や余暇、神話の主題が見られます。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、非対称と曲線的な形、明るく軽やかな色彩が支配的な様式と説明しています。ウォレス・コレクションによれば、好まれた色はピンクとターコイズ、人気の主題は素朴な羊飼いの男女で、ヴァトーからブーシェ、フラゴナールに至るまで、恋の戯れを描いた軽やかな主題が続きました。
出典: ロンドン・ナショナル・ギャラリー用語集:Rococo · ウォレス・コレクション:What is Rococo? · ウォレス・コレクション:Re-viewing the Rococo
ロココ様式とは?
ロココ様式とは、18世紀のフランスで流行した、絵画だけでなく室内全体とその調度品にまで及んだ装飾の様式です。ウォレス・コレクションによれば、この様式は建築の内装や漆喰細工から、家具、タペストリー、絨毯、織物、時計、磁器、絵画にまで用いられ、18世紀半ばにはルイ15世の宮廷で、ぜいたくな装飾美術の流行様式となりました。見分ける手がかりは、有機的で非対称なC字・G字・S字の曲線と、貝殻や岩、雲、アカンサスの葉、天使などのモチーフで、色ではピンクとターコイズが好まれました。ロココ絵画は、この様式を恋愛や田園の主題に生かしました。
出典: ウォレス・コレクション:What is Rococo? · ロンドン・ナショナル・ギャラリー用語集:Rococo
ロココはいつからいつまで?時代背景は?
ロココ美術は1715年頃にフランスで始まり、1780年代には流行遅れになりました。テートによれば、ロココは1715年にルイ14世が亡くなったあと、ヴェルサイユのバロック的な壮麗さへの反動として生まれた様式です。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、これをルイ15世の治世(1715〜1774年)の様式と位置づけています。ウォレス・コレクションによれば、1780年代には趣味の革命によって新古典主義に取って代わられ、1789年のフランス革命までにはすっかり支持を失っていました。
出典: テート:Rococo · ロンドン・ナショナル・ギャラリー用語集:Rococo · ウォレス・コレクション:Re-viewing the Rococo · ウォレス・コレクション:What is Rococo?
ロココはどこで生まれた?名前の由来は?
ロココはフランスのルイ15世の宮廷で生まれ、そこからヨーロッパ各地へ広がりました。ゲッティ研究所の『美術・建築シソーラス(AAT)』によれば、1700年頃にフランスで興り、18世紀後半に古典様式が復興するまでヨーロッパを席巻しました。ウォレス・コレクションは、イタリア、南ドイツ、オーストリア、ロシアでも人気があったとしており、テートによれば、イギリスには画家フィリップ・メルシエがもたらしました。名前は、人工の洞窟や噴水を飾った貝殻張りの岩組みを指すフランス語「ロカイユ」に由来します。この語は1730年代初めにまず、誇張されたもの、非対称なもの、不規則なものを指して使われ、のちに流行の様式の呼び名になりました。ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、18世紀後半の新古典主義の批評家たちは、この呼び名を蔑称として使いました。
出典: ゲッティ研究所AAT:Rococo · ウォレス・コレクション:What is Rococo? · テート:Rococo · ロンドン・ナショナル・ギャラリー用語集:Rococo
ロココ美術の代表的な画家は?
ロココ美術の代表的な画家は、テートがこの様式の典型とするフランスのアントワーヌ・ヴァトー、フランソワ・ブーシェ、ジャン=オノレ・フラゴナールの3人です。フランスではほかにジャン・シメオン・シャルダン、ジャン=マルク・ナティエ、エリザベート・ヴィジェ=ルブランが活躍しました。イタリアではジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロが代表的で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは彼をイタリア最大のロココの画家と呼んでいます。イギリスでは、テートがロココの影響を認めるウィリアム・ホガースとトマス・ゲインズバラが挙げられます。
ロココ美術の代表作は?
ロココ美術の代表作には、フラゴナールの《ぶらんこ》(ロンドンのウォレス・コレクション)と《読書する娘》(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)、ヴァトーの《シテール島への船出》(パリのルーヴル美術館)があります。ほかに、同じルーヴル美術館にあるブーシェの《水浴のディアナ》、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにあるゲインズバラの《アンドリューズ夫妻》、ヴェルサイユ宮殿にあるヴィジェ=ルブランの《マリー・アントワネットと子どもたち》もよく知られています。ウォレス・コレクションは《ぶらんこ》がロココ絵画のイメージを根本から形づくったとし、ロンドン・ナショナル・ギャラリーは《アンドリューズ夫妻》をゲインズバラの初期の傑作と呼んでいます。
出典: ウォレス・コレクション · ウォレス・コレクション:What is Rococo? · ワシントン・ナショナル・ギャラリー(Google Arts & Culture) · ルーヴル美術館 · ロンドン・ナショナル・ギャラリー:Jean-Antoine Watteau · ルーヴル美術館 · テート:Rococo · ロンドン・ナショナル・ギャラリー · ヴェルサイユ宮殿(Google Arts & Culture)
フラゴナールの《ぶらんこ》とは?
フラゴナールの《ぶらんこ》は、年上の男性に押されてぶらんこに乗る若い女性と、茂みから彼女を見上げる若い恋人を描いた絵です。所蔵するウォレス・コレクションによれば、1767年、ある宮廷の紳士が、司教にぶらんこを押させた愛人と、その脚を眺める自分の姿を描くよう求めました。画家ドワイヤンはこれを断ってフラゴナールを推薦しました。完成した絵では年上の男性はもう聖職者ではなく、ファルコネのキューピッド像が物語に意味を添えています。
出典: ウォレス・コレクション
マリー・アントワネットの肖像画を描いたロココの女性画家は?
マリー・アントワネットの肖像画を描いたロココの女性画家は、エリザベート・ヴィジェ=ルブラン(1755〜1842年)です。ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、彼女は王妃のお気に入りの画家で、王妃とその家族の肖像を30点以上描き、18世紀にフランス王立アカデミーに迎えられたわずか4人の女性の一人でした。ヴェルサイユ宮殿によれば、《マリー・アントワネットと子どもたち》は、首飾り事件の醜聞のあと、王妃としての威厳と母としての姿を示すために1785年に注文されました。簡素なモスリンのドレス姿の肖像が1783年のサロンで物議をかもしたため、ヴィジェ=ルブランが絹のドレスで描き直したのが《バラを持つマリー・アントワネット》です。
出典: ヴェルサイユ宮殿(Google Arts & Culture) · ヴェルサイユ宮殿(Google Arts & Culture) · ロンドン・ナショナル・ギャラリー
フランソワ・ブーシェの代表作は?
フランソワ・ブーシェの代表作には、1742年のサロンに出品された《水浴のディアナ》(パリのルーヴル美術館)と、1754年の《ヴィーナスの誕生》(ロンドンのウォレス・コレクション)があります。最大のパトロンだったポンパドゥール夫人の肖像画も名高く、1759年に描いた最後の肖像も同じウォレス・コレクションにあります。同館によれば、ブーシェは大画面の神話画を多く描き、田園画の流行にも一役買いました。ゴブラン製作所が織るタペストリーのために《日の出》と《日の入り》の原寸大の下絵を制作し、その図案はセーヴル磁器やタペストリーにも使われています。
出典: ルーヴル美術館 · テート:Rococo · ウォレス・コレクション:Madame de Pompadour's portrait · ウォレス・コレクション:Boucher's myths · ウォレス・コレクション:Boucher the artist
ロココ美術はなぜ終わった?
ロココ美術が終わったのは、軽薄で退廃的だと見なされ、人々の好みが離れていったからです。1750〜1760年代には、ドゥニ・ディドロらの批評家がブーシェの田園画を、わざとらしく技巧に走りすぎていると批判しました。ちょうど新古典主義が芽生えはじめた頃です。ウォレス・コレクションによれば、1780年代にはロココの曲線と甘い色彩は新古典主義のすっきりした線に道を譲り、1789年の革命家たちは、ロココを退廃した特権階級の様式として非難しました。
出典: ウォレス・コレクション:Boucher the artist · ウォレス・コレクション:Boucher and the pastoral · ウォレス・コレクション:Re-viewing the Rococo · ウォレス・コレクション:What is Rococo?
ロココ絵画はパブリックドメイン?無料でダウンロード・商用利用できる?
はい。ここで紹介している画家はいずれも1842年までに亡くなっているため、その絵画はアメリカでも、著作権が作者の死後70年で切れる日本やEUなどの国でもパブリックドメインです。無料でダウンロードでき、商用利用を含めてどんな目的にも使えます。ただし、美術作品の写真について独自のルールを設けている国もあるため、販売や出版の前に商用利用のページで確認してください。
有名な絵画の選び方
ここで紹介する有名な絵画は、世界で最も広く知られているロココ絵画です。知名度は、その作品を取り上げた百科事典の記事が何言語にあるかで測り、2026年11月に確認しました。1人の画家につき3点までとしているため、フラゴナールの《かんぬき》と《目隠し鬼》、ブーシェのほかの神話画は、下の列やすべての作品の一覧で紹介しています。
対象は、当サイトのカタログ、所蔵する美術館、またはWikidataがロココに分類する絵画で、額縁を含まない正しい作品の画像がある場合に限りました。ホガースの《当世風結婚》と《放蕩一代記》は連作なので、それぞれ第1場面を掲載しています。リオタールの《チョコレートを運ぶ娘》は羊皮紙に描いたパステル画で、ここで唯一の油彩でない作品です。
制作年、サイズ、所蔵先は、各美術館の記録とWikidataに基づいています。
誤りに気づいたらお知らせください。確認して訂正します。








































































































